SSブログ

医療はサービス業か!? [美容と健康]

◆ある朝のアクシデント◆

ある朝、目覚ましが鳴るまで爆睡していた私は、アラームをOFFにし、起きようとして愕然となった。
斜めに身体を起こそうと腕に力を入れると、そのままその方向に身体がつんのめり起き上がれなかったのである。
布団の上で重力に押し返されているくせに、身体は、水中で頭を押し付けられ、それ以上行けないと分かっているのに、何度も何度も押し付けられているような、そして方向が分からないような感覚。
つまり、めまいを起こしてダウンしてしまったのだ。
(う・・・これはダメだ、今日は仕事に行けない。)
そう観念し、枕もとの携帯に手を伸ばす。

そうするうちにも、小さな一挙手一投足の動作一つ一つに、同じ症状が起こる。
目をつむってこらえながら、とりあえず休む手続き(つまり電話ね)を終えた。

眠ろうとしても例のめまいに翻弄され、目をつむるだけで寝られやしない。
かなり長い間、じぃ~っとしてめまいをやり過ごし、医者に行こうかどうしようか考えた。
多分、疲れているだけだろう。
でも・・・。
9月始めには娘の手術がある。
もし、具合の悪さに疲れ以外の何らかの原因があるなら、追求しておかないと手術どころではなくなる。

そう思い直してそろ~っと起き上がり、医者に行けるか確かめた。
つぃ~っと、身体が動きに追随しっぱなし、慣性の法則に負けっぱなしになりそうになりながらも、ともかくゆっくりなら歩くことができそうだ。
歩いてみると、なんだか左足の太ももが痛い。

(そういえば・・・昨日の夜、足の付け根の血管がパンパンに張っていたよな。多分大丈夫だろうけど、無関係なことを確認するためここは総合病院に行っておくか。)

そう考え、近くの市民病院の受付がまだ可能なことを確かめタクシーで出かけた。

◆検査室の設備と検査技師や窓口の対応のまずさ◆

予約受付時間:9:00~11:00
入口すぐのところにナースが待機し、受診科が分からない人の手伝いをしている。
症状を話し、整形外科と耳鼻咽喉科を受診することになった。
初診の人は、申込書を書いて受付窓口に提出せよ、とのこと。
目を見開き、焦点のブレと闘って記入する。
だが、1階総合受付で整形外科と耳鼻科受診を申し込んだにもかかわらず、整形外科しか予約をとってもらえていなかった。
おかしいのに気づいて申し出るとしばらく待たされ、午後診の予約となった。

午前は整形外科を受診する。
とりあえず様子を見ようということでお昼を過ぎた。

気分はよくないが、何も食べないのも身体によくない。
院内の食堂に出かけると、身体を休めるのに好都合な両肘つきの一人がけ椅子がある(2-4人席)。
空いてるし、あそこにしよう・・・と、行きかけたらお店の人に
「お一人様でしたらこちらにどうぞ」と大テーブルに相席用の椅子があり、そちらに(気分としては強制的に)案内された。
う・・・こんなんじゃ身体がぐらつくし・・・と半ば心の悲鳴を上げながら、早々に立ち去る。
そんな中でも、私は見ちゃったのだ。
私には相席用テーブルを勧めたくせに、ずず~っと一人にもかかわらず、件のすわり心地のよさそうなところに突進した人には断らないのだ。
元気そうなおじさんには負けてるのに、何で思いっきり顔色の悪い私には勝つのよ・・・私にもあそこに座らせて欲しかった・・・と心で叫んでみる。

耳鼻科は2時からなので、1時過ぎに耳鼻科受付へ行くと、たった今検査係員が席をはずしたところで2時まで帰らないと言う。
さらにしばらくすると、先ほど2時と言ったが2時半まで戻らないとのこと。
どこに行ったんだよ~、おい!
診察は2時だが、検査を受けないと受診できないとのことで仕方なく待っていた。
が、2時半になっても検査を受けられない。
診察はさらに待たされ、3時半をとっくに回った頃にやっと順番が来た。

検査は聴力を測るもので、ヘッドフォンをつけ、更に骨耳導を調べるために、おでこと耳のうしろにもヘッドフォン状(と書いたのは、おでこ部分先がとても固くて、検査後1時間経っても凹みが解消しなかったため)
をつけて、ヘッドフォンから音が聞こえている間だけスイッチを押す、というもの。
音域が何種類かあり、それぞれ、何もない状態、検査している反対がわのヘッドフォンからは騒音を流しながらの状態と2通り検査した。

私は花粉症がひどいため、かかりつけの耳鼻科をもっており、そこで1年に1度は聴力検査を実施している。
そこでの検査は、外とは完全に遮断されたBOX(ビロード状の布の内張りで音も吸音される)に入り、検査員は音源等の操作をBOX外から行う。
つまり、検査員の機械を操作している音は受検者には絶対に聞こえない。
したがって、予見を排除できるし、音が聞こえるか聞こえないかに集中できる。

一方某病院耳鼻科検査室。
暗幕が垂れて吸音になっているのは同じだが、激しく異なる点がある。
それは、中が広くて検査者と受検者が同じ室内にいるということ。
つまり、操作音が丸聞こえなのだ。
いくら私の耳が悪くとも、正常範囲の下限なのでギリギリという操作音は聞こえるし、目をつむっていても操作は気配で分かる。
これでは、正しい結果なんぞ出ないであろう・・・。
大雑把になら結果は分かるだろうが、ビミョ~な結果を出すにはあまりにお粗末とはいえまいか。
かかりつけの耳鼻科は専門認定医院ではあるが、税金で建てた立派な箱の耳鼻科を標榜するには、検査設備もそれなりの、専門認定医院に匹敵すると思うのが市民感情というものであろう。

「おでこが痛い」という私の訴えにも、「(検査なんだから痛いのは)仕方ないですね。」
(痛くて当たり前じゃん!という声が聞こえてきそうだった。)
乳腺外科のマンモグラフィーはとても痛い。それが分かっているから、声がけと受検者への共感や励ましが絶え間なくでる。
せめて「痛くてごめんなさいね。すぐに終わりますのでちょっとだけ我慢してね。」と言われれば、涙が出そうでも我慢する。
人間は感情の生きものなのである。
それでも、さすがに患者を長時間待たせたと言う事実があるので、「遅くなってすいません」という言葉だけ2-3度お詫びしていただいたが、私は大人気ないので「いいえ~。」とはいえなかった。
だって口だけなんだもの。

ホントに悪いとおもうなら、長時間不在にする前に必ず予約状況を確認するだろう!
そして、予約があったら不在にはしない。
どうしても用事がはずせなければ他の人を手配するかお願いして不在にはしない。
それが勤め人というものだ。
どこかに診てやってる、検査してやっている、という驕りはないか。

診療受付が時間枠制だというのにも驚いた。
これは、担当医師から次の受診の日を決めるのに、「仕事に行かないといけないから早い時間が良い」と答えたときに、「じゃあ、9時に予約を入れておきましょう。ただし、予約は時間枠制なので、沢山の人が同じ時間に予約をいれると、その中での受付の早い順となりますので、遅くなったらごめんなさいね。」と言われて初めて分かったことだ。
(医者だって予測しない出来事の起こる可能性に対して謝ってくれているのに、とまた根に持つ。)
時間枠制。そんなこと、病院の案内には書いていない。
診てもらう側にとっては、とっても重要な事項だというのに。
知っていたら、整形外科に行く前に受付をすませているんだった。
教えてくれよ~、チキショー!!

これって病院の常識、市民の非常識に類することなのかしらん!?
ついぞ最近まで、ポリープは別として、病院のお世話になることがなかった私の常識が欠如しているのか??
耳鼻科だって何だって予約制でないところはふつう早いもの順、である。
かかりつけの耳鼻科はあまりに繁盛しているため、待合状況のモニターが待合室にあって、自分の順番が確認できる。
そして、大体の待ち時間も表示されている。
これを確認してから、自分の時間が近づくまで、前の喫茶店にお茶を飲みに行くのが習慣なんである。

某病院の乳腺外科は時間予約制ではあるが(時間枠制ではない)、一人ひとりに時間がかかる分診察時間が大抵遅延する。
その不満を解消するために、現在「現在○○医師の診察は30分~1時間遅れです。」などと窓口にも掲示されるし、モニターにも表示される。
自分の番が近づくと予約番号がモニターに表示される仕組みだ。
(ただ、そこからがとっても長かったりするのだが、担当医に会うと不満は解消される。医は仁術、とはよく言ったものだ。)
逆に言うと、表示されてなかったら全くどこに居てもOK!なのだ。
別の某市民病院の乳腺外科も、全く同じ仕組みで遅延は前もって知らされる。
そして、突発的なアクシデントが起こったときにはそれなりの対応がとれるよう手配し、患者にそれでよいか聞いてくれる。
イヤなら、遅くなるのを承知の上であくまでも待てばよい。

翻って市民病院。
どこの診療科の待合にもモニターらしきものはあるが、稼動していない。
診療科の中待合への入口に「現在の診察は○時の患者です」というような紙があるのみ。
これとて待合の一番奥にあるので、待合ソファでのたうっている私は、実際に呼ばれて入るまで気づかなかった。
もちろん、遅延のお知らせはない。
(たぶん遅延はしていなかったんじゃないか。だって待合椅子の埋まり具合はマバラだし、具合の悪い私がドデン!と椅子にひっくり返っていても、お咎めを受けなかった。)
そしてそのうち、こんなに空いているのに何で呼んでもらえないのか?という疑念が募る。
具合の悪さ(あまりに待ち時間が長すぎて少しずつ回復していた)とまだ待ちつづけるであろう時間や疑念を天秤にかけ、もう帰る!と思って受付に掛け合ったら、「次です。」と言われた。
これで態度の悪い医者に当たっていたら絶対にブチ切れていただろう。
好対応に、診てもらっているときは不満が収まった。

次回の診察には、思いっきり早く出かけて時間枠の最初に見てもらえるよう自己努力する。
これが私の誓い。(苦笑)

◆病院への提言◆

○診察受付時間をHPトップに明記すること。
 私はギリギリOKでしたが、出かけて無駄足を踏むことのないようにしてください。

○受診の予約制(時間枠制)についてHPや病院案内に説明項目を設けること。
 外来のフローの中にでも、あるいは一項目起こして説明を入れてください。
 病院内にいるのにシステムを知らないがために、長時間待たされる羽目に陥る患者を減らしてください。

○予約システムを生かした環境づくり。
 当日の混み具合を、各受診科では恐らく確認することができると思います。
 (最初から有給休暇を取得してい(て、人の手配がすんでい)るならともかく、)
 途中で気が向いて、あるいは約束があって不在にするのは状況を確認してからにして下さい。
 状況を見ずして不在にするのは(例えばランチで不在なんぞは)もってのほか!です。
 たとえそのような行動をとろうとしても、窓口職員が引き止められる環境を作ってください。

○病院憲章をうたう前に行うこと。
 一人ひとりの行動が市民感情を左右することを肝に銘じるよう、職員教育を行ってください。
 まず最初にHPに掲載されている病院憲章を知ってください。
 憲章という理念でなく、具体的に何をすればよいか、何ができるか各自が議論できるようにしてください。

○負のスパイラルを避ける努力をすること。
 検査設備が不備だと検査結果にも影響がでる。
 仮に医者の腕が良くてもそれを阻害する原因となる。
 評判が悪くなれば患者は減り、はやらない。
 はやらなければ待合モニターや設備は無駄遣いと廃止になる。
 待ち状況が分からなければサービスに不満が出る。
 サービスに不満が募れば、市民の足が遠のく。
 ・・・かくして負のスパイラルに陥る・・・ことのないよう努力してください。

もし仮に私の言っていることが極端だとしても、部分的にそうだ!と思う人は多いはず。
悪いことに、改善してもしなくても市民病院は存続しうる。
一方で市民の健康に貢献しているはずなのに、片方で、貢献に足蹴にするような行動をとっていると、市民と病院(と市)の双方がしっぺ返しをくらう。
顧客満足度が病院の評判を左右するファクターであることに、全員が気づいて欲しい。
具合が悪いという切羽詰まった状況があるだけ、病院に対する良し悪し感覚の振幅は何倍にも増大するのだから。

私は医療はサービス業だと思う。そう思いたい。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。